さて…
今まで簡単にではありますが、杭の位置や杭を打ち込むレベル、そして杭天端レベルの決め方について説明をしてきました。
杭の仕様と平面的な位置が決まり、打ち込みレベルが決まる。
そうして決めた内容を図面に表現していくのが、建築施工図を作図するということだと思います。
作図する人がしっかりと理解をし、誰が見ても分かるような図面として作図をしていく訳です。
全ての線や寸法にはきちんとした意味がある。
そんな図面を作図してみたい…と思う方は、きっと建築施工図に向いているのだと思います。
■杭を区別する番号
今まで説明してきた内容で、杭伏図を作図する為に必要な情報はほぼ網羅出来たはずです。
いくら設計図に杭伏図があったとしても、建築施工図はそれを丸写ししただけの図面では済みません。
柱の位置や基礎の位置、そして基礎のレベルや支持層のレベルを考慮して、ようやく杭伏図が作図出来るんですね。
そこまでしっかりとした根拠を持って作図した図面であれば、恐らく実際に建築現場で使うことが出来る図面になるはず。
あとひとつ伏図に必要な情報が、今回説明する「杭番号」。これを記載すれば杭伏図は完成です。
ここで言う「杭番号」とは、紛らわしいですけど「杭符号」とは意味が違ってきて…
杭符号:杭の経とか仕様とかを表す符号。
杭番号:他の杭と区別するように通しでつける番号
という違いがあります。
例えば杭の数が100本あったとして、杭符号は全部で10種類程度の場合が多く、杭符号は他の杭とダブります。
その杭がどんな仕様なのかを知るのが目的ですから、隣と同じ杭符号の杭があっても別に困りません。
一方、杭番号は他の杭と区別する為につける番号です。
隣の杭と杭番号がダブるということは…他の杭と区別をするという目的が果たせないのでNGです。
ダブって識別出来なくなることを防ぐ為の杭番号だから、まあ当たり前の話ですが…
先ほどの例で言えば、杭が100本あったらNo.1~No.100までで杭番号は100種類となる訳ですね。
杭符号と杭番号との違いは何となく分かって頂けたでしょうか。
どちらも杭伏図には欠かすことが出来ない情報ですから、違いと記載する意味をしっかりと理解しておきましょう。
ちなみに、私は今まで建築施工図の仕事をしてきた中で、杭番号がつけられた構造図を見たことがありません。
私が偏った経験しかしてない可能性もありますが、恐らく杭番号は設計図に記載されないのが普通だと思われます。
なので、杭番号だけは設計図によらず、建築施工図を作図する我々が付けてしまいましょう。
図面の左上をNo.1とし、そこから右下に向かって数字を増やしていく、もしくはその逆とか。
目的は杭の区別をすることですから、ある程度のルールに則った杭番号であれば、実際に使う人から苦情もこないはずです。
あまりにもランダムな番号だと、作図する人もやりにくいし間違いの元だし見る側も見づらいし、良いことが一つもありません。
なので、ここは素直に並び順で番号を付けていくことをお勧めします。