このサイトでは、建築施工図を作図する為に必要となるであろう知識を出来るだけ分かりやすく説明しています。
建築施工図のプロとして仕事をしていきたい、と考えている方がどのくらいいるのかは分かりませんが…
そういう方がこのサイトを読んで、スキルアップの為に少しでも役に立てれば良いなと考えています。
と、ここまでは良いですよね。
このカテゴリーでは少し趣向を変えて、建築的な知識の話ではなくてもう少し実務よりの話をしてみたいと思ってます。
学生の研究とは違い、図面を作図して報酬を受けとるというのは紛れもなくビジネスです。
知識とか技術とかでは乗り切れない事もたくさんあるはず…少なくとも私にはあります。
ここではそうしたお金とかに絡む話を少しずつしていきますので、興味のある方だけどうぞ。


■時間とお金
このサイトでは建築施工図に関する知識を少しずつ説明していますが、なぜ一気に説明をしないのか。
それは私の説明力不足もありますが、焦って一気に覚えようとしてもなかなか上手くはいかないから、という理由もあります。
ちょこっと言い訳みたいですけども。
知識というのはガッチリと覚えないと意味がありません。
上辺だけ分かったような気になっていても、実際の仕事でそれを生かす事が出来なければ知らないのと一緒。
いや、知っている気になっている分だけ質が悪いかもしれません。
そんな理由もあって少しずつ説明をしている訳ですが、では、しっかりとした知識と技術が備わったらそれでOKなんでしょうか。
今度はそんな素朴な疑問が出てきます。
建築施工図は技術を必要とする仕事ですから、その技術があれば問題ないんじゃないか。
そう言う意見も当然あると思いますし、建築施工図を技術職だと思っている私としても、そうあって欲しいと思ってます。
でも…
実際問題として、技術がついてきたからといって仕事が成り立つ訳じゃない、というのが私の経験から出る答えです。
ちょっと残酷ですが、これが現実かも知れませんね。
もちろん知識や技術は必要ですが、それで十分という訳じゃないという意味なので、知識が不要という訳じゃありません。
完璧な図面をじっくりと作図すればそれでOK、良い仕事でしたと言われるほど甘くない、ということです。
仕事を発注するお客さんがいる以上、お客さんの要望に沿っていかないといけないのはどの仕事でも一緒。
例えば時間的な要望、そして金銭的な要望などなど…って、タイムイズマネーだから同じ意味か。
要するに、技術と知識を磨いていったその先には「時間」の要素が出てくる訳ですね。
・この図面は1枚いくら
・週明けには完成した図面が欲しい
相手からそうした要望があるので、じっくりと腰を据えて作図が出来ないこともあるんです。
多少はニュアンスが違いますが、上記した二種類の表現はほぼ同じような意味合いを持っています。
図面1枚の単価が決まっているということは、採算を考えると一定の時間で完成させないとビジネスとして成り立たないということです。
いつまでに図面が欲しい、という要望はそれよりも分かりやすい表現で、やはり一定の時間で図面の完成が必要ということ。
建築施工図の作図に必要な知識とか技術とかの他に、時間という概念が入ってくる訳ですね。
時間とお金の関係については次回にもう少し話を続けます。
が、ここではまず、知識と技術の他に「時間とお金の感覚」が必要になるということだけ書いておきます。