建築施工図の杭伏図を作図する為に必要な知識のいくつか。
今までの簡単な説明で、ほんのさわりだけではありますが、何となく理解出来たでしょうか。
もちろんこれで杭伏図の全てを語った!…とか言うつもりは全然ありません。
建築施工図はもう少し奥が深い世界ですから、数百行の説明文で全てを説明出来るとは思ってません。
でも、本当に基本的な内容くらいは説明出来たんじゃないか、と、そんなことを思ってます。
まだ情報が足りないのでは?と思った方は、是非ともメールで教えて頂けると助かります。
しかし、自分が既に分かっていることを、知らない相手に分かりやすく説明するのは本当に難しいです。
これは文章だけではなく、面と向かって説明をする時でもあまり変わらないような気がします。
文章だと「ここまでは良いでしょうか」とか書きつつも、「良くない!」という返事を想定していません。
だけど相手が目の前にいると、かならず「いや、ちょっと分かりません」などの答えが返ってきます。
なので、そういう意味で考えると、目の前の相手に口で説明するより、文章の方が楽なのかも知れませんね。
と、ちょっとだけ愚痴を書いてみましたが…まあ好きでこうして書いている訳ですから、あまり文句を言うべきじゃないですね。
■杭伏図のまとめ
ここまで説明してきた内容で、建築施工図の杭伏図を作図する為に必要な情報は以下の通りです。
・杭符号(杭の経等の仕様)
・通り芯からの杭位置(柱位置により決定)
・想定の杭下端レベル(N値に注意)
・杭の天端レベル(基礎・地中梁レベルにより決定)
・上下レベルによる想定杭長さ
・杭番号(区分の為任意でつける)
これらの情報を、杭伏図では基本的に1枚の図面で表現していきます。
建築施工図はどんなにスケールが小さくても1/50までが基本です。理由は、小さいスケールだと細かい表現が出来ないから。
でも、この杭伏図は少し特殊で、1枚で全体を表現しないと逆に使いづらい図面になってしまいます。
広大な敷地の中に建物がいくつもある場合はまた別ですが、それでも建物1つにつき杭伏図は1枚ということになります。
■表現はどうするか
そんな条件のもと、杭伏図に必要な情報を見やすく記入していくにはどうすれば良いでしょうか。
と、ここは結構悩んでしまいそうなところです。
必要な情報を盛り込んで、なおかつ見やすい描き方。建築施工図の永遠のテーマですから、ここは悩んで当然ですよね。
でも、実際はそこまで悩む必要はありません。
なぜなら、恐らく建築工事をする会社(ゼネコン)で、そうした躯体図の共通ルールを作っているはずだから。
杭伏図にはこの符号を使うこと、みたいなルールが決まっている為、あまり悩むことなくその記号を使うことになります。
それが例え「あまり見やすくないな…」と思ってしまうような形状であったとしても、です。
そんな訳で、このサイトでは「こんな杭符号を使うべき」というような表現をすることが出来ません。
仮にしたとしても無意味ですし…
ですが、それで終わってしまったら今までの説明があまり役に立ちそうもないので、次回は一例を出して説明をしてみたいと思います。