床点検口位置を決める際のポイントとして、上階の壁位置を避けるという基本的な話を前回は書いてみました。
当たり前の話なんですけど、これを頭に入れておかないと、そんな当たり前の事を見逃すこともあるんです。
時間に追われて躯体図を作図している時は特に。
基本的な部分を間違えると、是正をお願いするのが非常に恥ずかしい、という話も前回ついでに書きました。
そういう目に遭わないように、基本的なところからきっちりと押さえておくことをお勧めします。
仕事でやってしまうミスのほとんどは、知識不足からくるのではなく、確認不足が原因なんですよね。
■部屋の種別を考える
少し話がそれましたが、今回は床点検口の位置を決める最後のポイントについて説明していきます。
前回までに説明してきた、床点検口の位置を決める際に注意すべきポイントはこちらです。
・地中梁の位置
・上階の壁位置
これらの要素によって、実際に床点検口を設置することが可能な場所はかなり限定されてくるはずです。
これにプラスして、床点検口の位置を制限する要素があとひとつだけ。
それがどんな部屋に床点検口を設置する計画になっているのかを考慮する、という部分です。
これだけではちょっと分かりにくいので、もう少し具体的な例を出してみることにしますか。
例えばの話ですが…
あなたが配管のメンテナンスをする仕事をしている男性、ということを想像してみてください。
そして、以下のような部屋に床点検口があったらどうなるかを、さらに想像してみると、どんな感じでしょうか。
●女子更衣室
もし女子更衣室の中に床点検口があって、メンテナンスをする為にはその床点検口からピットに入る必要がある、となった場合はどうでしょう。
私だったら入れません。
女子更衣室がいつ誰もいない状態になっているかも分かりませんし、それまで待つ気も起きないからです。
これは女子更衣室だけでなく、女子トイレなどでも一緒ですね。
基本的な話として、男性が入れないような場所に床点検口を設置するのはNGなのだと思います。
それならメンテナンス要員に女性を呼べば良いのでは?と思われるかも知れませんが…
そんなことを考えるのなら、最初から誰でも入れる場所に床点検口の位置を決めておいた方が早いですよね。
●会議室など
また、ピットの直上階にそんあ部屋があるかは別にして、社長室とか会議室とかの中にあっても困ります。
どちらも常に人がいることの多い部屋ですよね。
来客中とか会議中とかに「ちょっとピットに入りますので…」なんて言いながら作業服の人が入って来たら…
私なら確実に追い返しますね。
メンテの人も困るし会議中の人も困る、という感じで、どこにも良いところがありません。
やむを得ない場合もありますが、床点検口の位置は、極力人が常にいる場所を避ける方向で考えていきましょう。
…ちょっと長くなってしまったので、あと少しだけ続きます。