前回は地中梁の増打ちが必要になる場合ということで、上階に柱がある場合の例を挙げてみました。
外壁だったりエレベータだったり階段だったりと、基本的にはいくつかのパターンになることが多いです。
まずはそんな基本パターンを覚えておき、それ以外の応用パターンは経験を積みながらぼちぼち覚えていきましょう。
恐らく私自身もまだ、柱が必要になるパターンを全部覚えている訳じゃないはずですから。
で、今回は地中梁の増打ちについての最後ということで、柱と地中梁の関係を具体的に説明してみます。


■柱の足元はどうなってる?
地中梁の増打ちが必要となる要素として「上階の柱」を紹介した訳ですが、実際にどうして増打ちが必要なのか。
前回はそのあたりの話が出来ませんでしたので、今回はその説明をしようと思います。
その前に、まずは柱がどんな材質から出来ているか、というあたりの話から。
構造にRC造とS造があるように、柱の材質もコンクリートと鉄骨という二通りのパターンがあります。
ただし間柱に関しては、鉄骨で出来ている場合がほとんど。
RC造の場合でごく稀にコンクリートの間柱を造ることもありますが、割合としては非常に少ないです。
間柱に関しては、コンクリートで造るよりも鉄骨で造った方がサイズが小さく済むことが多い、というのが大きな理由じゃないかと思います。
という訳で、まずは少数派のコンクリート間柱についてです。
通常の柱の場合は基礎から最上階まで通ることが多いですが、間柱はそれぞれの階で完結します。
つまり、上と下の梁から固定するという考え方です。
鉄筋的な表現をすると、地中梁の大梁は柱に定着するのに対し、間柱は上下階の梁に定着する、ということですね。
柱と梁の関係を、建物の横から見た場合はこんな感じになります。
基礎伏図の作図 柱と間柱と梁

基礎の上から柱が上に伸びていて、柱と柱の間に梁がかかり、そしてその梁と梁の間に間柱がある、という関係です。
なぜ図面を載せてまでこうした説明をするのかというと、間柱が必ず梁に乗っている必要があるから。
もし地中梁よりも間柱のサイズが大きい場合には、間柱が完全に乗るように地中梁の増打ちが必要になってきます。
間柱が完全に乗るというのはつまり、間柱の鉄筋がきちんと地中梁の中で納まるようにする、ということです。
例えば以下の図面のように、スパンの中央に600×400サイズの間柱があったとします。
基礎伏図の作図 RCの間柱例

そうすると、間柱の下にある地中梁の巾は450ですから、間柱の部分には150の増打ちが必要になります。
そうしないと、間柱の主筋が地中梁の部分で露出してしまいます。
もちろん鉄筋の露出なんて建築施工図ではやっちゃダメですから、そうならないような図面にしないといけません。
これは躯体図を作図する上で非常に重要なことなんですが、鉄筋を意識して作図をしないとこうなることが多いです。
鉄筋については別の項目でもう少し詳しく説明をしていきますので、ここでさらに詳しい説明は控えておきます。
まずはRCの間柱があった場合に、地中梁の増打ちが必要になることがある、ということを覚えておきましょう。