CADと図面の完成度

自分が建築施工図を作図する建物にどんな特徴があるか。

これは建築施工図を作図する仕事をしていると、作図を開始する前にじっくりと見る項目です。

特に基礎伏図を作図する際には、その建物の地下がどのようになっているかが気になります。

地下に居室はあるか?ピット階はあるか?それともそのどちらもない建物なのか?

他にも気になる部分はたくさんありますけど、私の場合はまずそこから設計図を見始めます。

という訳で…

基礎伏図を作図する際に重要なポイントとして、いくつかある地下のタイプについてお話しをしてきました。

結局はどのパターンも大変っていう、あまり心踊らない結論になってしまいましたが…

それでも、どんな部分に気を配って作図をすれば良いのかを知る為にも、地下のタイプは最初に見ておきましょう。

あまり嬉しい話じゃないかも、ですけど、大変さの中にも色々な種類がありますからね。



■ピットがある前提で

建物の地下には色々なパターンがある。

そんな話を前回まではしてきましたが、当サイトではピットがあることを前提にして説明を進めるつもりです。

理由はまあ簡単です。

ピットの事を知っておいて、たまたま今回建築施工図を作図する建物にピットがない。

これは単純にピットを作図しないだけですからOKで、「ああ、今回はピットないんだ」ってなるだけの話です。

では、その逆パターンはどうか。

作図者である我々にピットについての知識がなく、今回建築施工図を作図する建物にピットがある、という場合。

まあ普通に考えればダメですよね。

作図している自分が理解出来ていないことは、作図した図面を見た人に絶対伝わらない。

これは今までの経験から考えて、ほぼ間違いのない事実です。

だからこそ、そういう恥ずかしいことにならないよう、様々なことを勉強していくんです。

そして、地下ピットに関する知識というのは、決して逃げてはいけないジャンルに入るはず。

という訳で、当サイトでは地下ピットがあることを前提にして話をしていきたいと思います。

■CAD特有の落とし穴

理解出来てない部分は絶対相手には伝えられない。

ということを先ほどは書きましたが、CADで作図をするということもあって、全然図面が完成しないことはないはず。

恐らくはそこそこの見栄えで、ピットを表現した基礎伏図が出来上がるんじゃないかと思います。

でも作図者に知識がない為、設計図以上の情報を記載することが出来ない可能性が極めて高い。

それが一番危ないんですね。

CADというのは本当に便利なツールで、綺麗な図面を簡単に作図することが出来ます。

私も日常的にCADを仕事で使っていて、その便利さの恩恵を受けている一人です。

私にとってCADというのは、もう自分の指の延長に感じるくらいの存在になってます。

なのであまりCADの悪い部分を書くのは気が引けますが、この「綺麗な図面を簡単に描ける」というのが危ない。

あまり検討した図面でなくても、何となく出来上がっている様な雰囲気の図面が簡単に出来ますから。

そんな事にならないよう、次回からじっくりと地下ピットに関する話をしていきたいと思います。

項目はたくさんありますが、急ぐ必要はないですからじっくりと進んで行きましょうか。

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