建築施工図を作図するツールとして今はCADを使いますが、昔は自分の手で作図をしていました。
もちろん手描きもCADも出来るのがベストなんですけど、そう簡単に理想的なことは出来ないものです。
私の場合はCADよりも手描きが苦手で、手描きが上手い人を見るととても羨ましく感じます。
でも中には私とは逆のパターンもある。
今回は手描きよりもCADが苦手な場合もある、というあたりについて書いてみたいと思います。
■経験が長い故に
これを書いている今現在、CADが普及してから恐らく10数年というところだと思います。
正確な年月は別に必要ありませんが、とにかく20年以上前ということはなかったはず。
例えば建築施工図に携わって40年くらいの方であれば、当然手描きの経験が圧倒的に長いことになります。
そうすると、やはりどうしてもCADよりも手描きの方に親しみを覚えてしまう訳です。
そんな訳で、ベテランの建築施工図屋さんの中には、手描きに慣れ親しんで来たことによるCADへの拒否反応があったります。
なぜ手描きではいけないのか、と。
それが時にはCADに対する嫌悪感に変わったりもします。
まあこれは当然人それぞれですが…今まで仕事をしてきた中で、少なくとも私はそうした人を結構見てきました。
恐らく私もあと10年くらいして、CADに変わる何か新しいツールが主流になったとしたら、こう思うはず。
なぜCADではダメなのか、と。
一般的に、CADの操作に精通している人は若い人が多いです。割と最近の技術だから当然ですが。
そうした若い人は、一般的にみて建築関連の知識がベテランに比べて低い、というのが現状です。
もちろんそれまた当たり前の事ですよね。
なので、私が今まで一緒に仕事をしてきた建築施工図屋さんは、大体以下のようなタイプに分かれてました。
分かりやすくする為、少し極端に書いてますが…
1.建築施工図の知識が高いがCADはおぼつかない
2.CADは早いが建築施工図の知識と経験が不足している
時々ではありますが、建築施工図の知識とCADの能力をバランス良く持っている人を見かけます。
きっとそういう人は仕事が切れないんでしょうね。私も少しずつ進歩して、そういうレベルに達したい。
ちなみに私は「2」のタイプからスタートしています。
で、今はどんなレベルなのか…は、残念ながら自分では客観的に判断することは出来ません。
そういう場合は周りの評価によるしかない訳ですが、まだまだ建築施工図に関する知識は完全ではないですね。
というか、今まで完全な人に会ったことはないですから、きっと一生勉強じゃないかと思ってます。
こうした建築施工図の解説サイトを作ったのも、まずは自分の知識を整理してより高める為です。
そうやっていくうちに年をとって、だんだんCADが億劫になってくる可能性もありますが。
建築施工図に関する知識を深めつつ、CADのスキルをしっかり磨いていき、両方ともそつなくこなす。
建築施工図のプロとして目指すのはそこですね。