前回からは建築工事の大まかな流れということで話をしていて、「準備工事」「土工事」「基礎工事」までを紹介しました。
まだ先は長い気がしつつも、順を追って地道に説明をしていきますね。
ちなみに…
私はあくまでも建築施工図のプロであって、建築現場の職人ではないですし、現場監督でもありません。
なので、建築現場の進め方などの知識については、本職の方に比べてかなり低いと思っています。
もし本職の方がこの説明を読んで「違う!」と感じたら、メールでどこが違うかを教えて頂けると嬉しいです。
ただし漠然とした指摘は勘弁してください。


■工事の流れ(続き)
さて、前回は「基礎工事」まで説明しましたので、このままどんどん続けていきましょうか。
・鉄骨工事
鉄の柱や梁を工場で製作し、出来上がった製品を現場に運び込んで組み立てる工事です。
鉄骨工事に関しては、この「工場で製作」が大きなポイントになってきます。
工場で製作した製品を現場で組み立てる訳ですが、これは現場で作るかなり前から様々な検討が必要だということを意味します。
つまり、施工図で事前に検討が必要なんですけど、個人的には結構苦手だったりします。
また、鉄骨工事があるかどうかについては、建物がどんな構造なのかによって大きく変わります。
鉄筋コンクリート造なのか鉄骨造なのか、あるいは鉄骨鉄筋コンクリート造なのか。
鉄筋コンクリート造であれば鉄骨工事はなくて、鉄骨造であればメインの工事となります。
このあたりの話が後ほど詳しくしていきますが、建物の骨組みを構成するメインの工事であることは間違いありません。
・コンクリート工事
こちらも鉄骨工事と同じく建物の骨組みを構成する工事です。
やはり建物の構造によって大きく内容が異なってきますが、どんな構造であっても床はコンクリートである場合がほとんどです。
木造を除いて、ですが…
木造の場合、私の木造住宅についての知識は微々たるものですから、残念ながらあまり説明できることがありません。
また、コンクリート工事は大きく「型枠工事」と「鉄筋工事」に分けられますが、それについても後ほど詳しく説明していきます。
・外装工事
鉄骨工事とコンクリート工事が建物の骨組を作る工事だとしたら、外装工事はその外側を覆う工事ですね。
建物の外側をどんなものにするのか、選択肢はかなりたくさんある訳ですが…それはまた後で色々と書いてみたいと思います。
屋根と外壁を作れば室内に雨が入らなくなり、そうなると室内の仕上工事に着手出来るという流れに。
なので、手順としては早めにやっておきたい工事と言えます。
・内装工事
建物内の壁や天井などの工事で、ここまで来ると工事はそろそろ終盤という雰囲気になってきます。
様々ある工事の中で、最も細かい項目が多い工事ですね。
本当に大雑把に分けると「建具工事」「軽量下地」「ボード貼」「仕上工事」などに区分することが出来ます。
それ以外にも色々とあるので、それらは後でたっぷりと説明をしていく予定でいます。
が、とりあえず流れとしては「内装工事」という事でひとくくりにしておこうと思います。
・外構工事
芝を植えたり車道を整備したり、駐車場を作ったり木を植えたりと、建物の外全般を外構工事と呼びます。
最初に外まわりの工事を完成させてしまうと、後の工事が非常にやりにくくなってしまうので、大抵の場合は最後になります。
私としては、建物の外周まわりに木が植えられるのを見ると「ああ、もうすぐ完成なんだな」と思ってしまいます。
と、大雑把な工事の項目としてはこんな感じですね。
順番としては、以下のような感じになるかと思います。
1.まずは建物を造る準備(準備工事)
2.土を掘って建物の足元を作る用意(土工事)
3.建物の足元をしっかりと作る(基礎工事)
4.建物の骨組みを作る(鉄骨・コンクリート工事)
5.建物の外側を作る(外装工事)
6.建物内の壁などを作る(内装工事)
7.最後に外部の道などを整備(外構工事)
もちろん敷地の条件や工期や工法などで微妙に違ってくることもありますが、例えば基礎工事の前に内装工事があったりなどはありません。
基本的な流れは上記のような感じになるので、ざっくりとでも覚えておいて損はないはずですよ。