今まで何回かに分けて、建築施工図を作図するツールである「CAD」について書いてきました。
ただし、一言で「CAD」と言っても、実際はそんなに単純な話ではありません。
CADには色々な種類がありますから。
私も全てのCADを知っている訳ではありませんが、主にどんなCADがあるのかくらいはお話しできるはず。
ということで、今回は建築施工図で主に知っておきたいCADの種類について書いてみます。


■AutoCAD(オートキャド)
まずはメジャーなCADから、という訳でAutoCAD(オートキャド)です。
AutoCAD(オートキャド)はAutodesk社が開発・販売している汎用CADの名前です。
汎用CADというのは、使いたい機能に合わせてソフトを入れることが出来るCAD、ということ。
ごく一般的な作図機能を備えたCADで、専門的な機能が必要であればソフトを追加していく、という感じですね。
最初は全般的な機能しか持っていないので、プレーンヨーグルトみたいな感じでしょうか。
…ちょっとわかりにくいか。
あとは自分が使いたい味を付けていくし、もちろんそのまま使っても問題ないという感じのCADです。
私が知る限りでは、今現在建築施工図で最も使用されているCADはこれだと思います。
その理由はいくつかの便利な機能にあると思いますが、シェアが大きいというのも大きな理由の一つでしょう。
機能が抜群に優れているかどうかは疑問な部分もありますが、それでも汎用CADとして高いレベルにある事は間違いありません。
機能についてここで簡単に説明することは難しいですが、非常にカスタマイズ性の高いCADでもあります。
自分でコマンドを作ったり、よく使う機能だけを表示させておくなどといったことが割と簡単に出来ます。
そして、通常のAutoCAD(オートキャド)は高額ですが、LTという機能を制限した廉価版もあります。
15万円くらい出せば高性能なCADが手に入る、というのは、一昔前からは考えられない状態ですね。
値段と機能のバランスがとれているCADなので、覚えておいて損のないCADと言えます。

■jw_CAD
先ほどAutoCAD(オートキャド)について説明した際に、値段がリーズナブルだという話をした直後ですが…
このCADの一番の売りはフリーソフトであるという点です。
要するに無料ですから、当然AutoCAD(オートキャド)に比べて圧倒的に入手しやすいです。
無料だからと言って情けない機能なのかというと、全くそんなことはない、と言うのがもう一つの売りですね。
恐らく開発した方は実際にCADで図面を作図したことがあるはず。
そんなことを感じるくらい、作図する人の気持ちを知っているスムーズな操作感があります。
フリーソフトですから普及率は高く、なおかつ操作感が良くて動作が軽い、というのが大きな特徴です。
無料ですから、持っていて損のないCADの一つだと思います。
ちなみに実際使ってみると、AutoCAD(オートキャド)とはかなり逆の操作感です。
AutoCAD(オートキャド)に慣れている人は戸惑いますし、もちろんその逆パターンもあります。
メインに使うCADを切り替える時は、そのあたりで結構苦労することが多いようです。