建築施工図とは…のまとめ

さて。

この章では「建築施工図とは何か?」について色々と書いてきた訳ですが、いかがでしょうか。

何となくでもイメージが掴めてもらえれば嬉しいんですけど…

私の知識と説明力ではなかなか難しいかも知れませんが、ここで簡単にまとめてみることにしましょう。



■建築施工図とは

建築施工図とは、簡単に言うと「建築現場で実際に施工することが出来るような図面」のことを意味します。

作図をするのは施工者(ゼネコン)で、設計者からはそのベースとなる「設計図」を発行されます。

設計図は大きな方針を示すものであり、細かい部分についてはなかなか表現しきれない部分もあります。

また、それぞれの図面で整合が取れていない場合もあったりします。

もちろんそうした問題がないに超したことはありませんが、まあ現実的に完璧は難しいですから。

そこで、設計図に不足している情報や整合されていない情報などを整理して、建物をたてる前に建築施工図を作図する訳です。

もう少し正確に言えば、建物をたてる前に工場で何かを製作する前には建築施工図が必要になります。

これが建築施工図の大きな役目ですね。

建築施工図を作図することによって、構造的あるいは法規的な面から、要求される建物の性能が確保されているかを確認する。

もちろんデザイン的な面で設計者のイメージに合っているか、という点も非常に大事なポイントです。

また、そして建物の使い勝手などもこの時点でじっくりと検討されることになります。

建築現場において、建築施工図は設計図と並んで非常に重要な指針となる図面ということですね。

建築施工図には大きく分けて「躯体図」と「仕上図」があって、大きくは「骨組み」と「最終形」の図面となります。

そして、実際の工事工程にそって躯体図も仕上図も、必要な時期までに用意しておかなければなりません。

組み立て説明書がないプラモデルを完成させるのが難しいように、建築施工図がないと建物を完成させるのが難しくなります。

このあたりのスケジュール管理などは、建築施工図屋さんの主な仕事ということになるでしょう。

また、「骨組み」の図面を完成させる為には、「最終形」が理解できている必要がある。

という点も建築施工図の重要な要素でしょう。

建物がどんな形で構成されていて、最終的にどういう形になるのか。

建築施工図のプロであれば、それらの内容を全て頭の中に入れておく必要があります。

これが面白い部分でもある訳ですが。

そしてそうした情報を整理する為に、CADというツールを上手に活用する必要がある。

CADの種類は色々ありますが、プロとして使用するのはそれほど多くの種類にはなりません。

大体1種類のCADに精通していれば、仕事をする上で困らないはずだと私は考えています。

建築施工図であれば、今のところAutoCAD(オートキャド)を使えればある程度は困らないはず。

…と、大まかに言ってこんな感じでしょうか。

それぞれの項目にはまだたくさん書きたい事がありますので、細かい話はまた改めてすることにして。

とりあえず「建築施工図の概要」についての説明はここで一度終わりにしたいと思います。

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