今まで何回かに分けて、仕上げ材の種類によってコンクリートの床レベルを下げておく、という場合について考えてみました。
・床仕上げ材の厚み+施工スペース
・防水をする場合
・OAフロアの場合
後で気がついたらコッソリと追加しておきますが、ザッと思いつく限りはこんな感じだと思います。
今回は基礎がそれに絡まないかを検討する為、ということで話題にしていますが、それ以外でも重要な作業です。
躯体図を書く際には、床仕上げとその為の床下がりの検討は、絶対に必要なことですから。


■マンションも…
ちなみに、上記の項目には入っていませんが、マンションは大抵の場合あらかじめ床を下げておくことが多いです。
というか、ほとんどなのかも知れません。
私も自宅をリフォームした際に、壁や床仕上げを全てはがしてみて、床が下がってるのを見て安心しました。
間取りを大きく変るつもりで、キッチンを移動しようとしていて、排水管がどうなるか心配だったもので…
色々と細かい説明をしている私ですが、実はマンションの躯体図を書いた事がないんですよね。
だから、あまり詳しい訳ではないのですが、多分大丈夫なはず。
いつかチャンスがあれば、ぜひ挑戦したいと思ってます…って、ここで書いてもあまり仕事には影響ないか。

マンションはスラブを下げておく場合がほとんど

■実際には少ない
さて。
床仕上げ材によってコンクリートの床レベルを下げた際に、それが基礎に干渉していないか。
基礎が下げた床よりも高いレベルに存在しないか。
躯体図を書くにあたり、そんな検討をする為に、様々な床を下げる要素について考えて来た訳ですが…
結論を書いてしまうと、今まで挙げてきた要素によって床を下げても、恐らく基礎よりも低くなることはないと思います。
「思います」では少々無責任な気もしますが、「絶対に」とか書いても責任を取ることは出来ませんので、まあ一般論しか出来ませんよね。
なぜ下げたコンクリートの床が基礎よりも低くならないのか。
それは単純に、今まで幾つか紹介してきたシチュエーションによって床を下げても、下げる寸法はそれほど多くはないから。
床に石を張る場合は60~70mm程度下がっていればOK。
防水をする部屋の場合は200~300mm、OAフロアの場合は100~250mm程度。
その程度のコンクリート床下がりでは、恐らく基礎が床よりも高くなることは滅多にないはずです。
だったらなぜそんな話を?
と思われるかも知れませんが、「滅多にないから」という理由で確認すらしないのは、はやりダメだからです。
躯体図を書く側としては、様々な可能性を考えておき、それぞれの場合についての対処をしておく必要があるんです。
念のためというか、石橋を叩いて渡るというか…
躯体図を書くのは仕事でやることですから、「可能性は低いです」とか「多分大丈夫です」という言葉は禁句。
知識としてあらゆる可能性を頭に入れておいてこそのプロ、ということです。