建築の知識がある場合

前回は建築施工図、特に躯体図を書くにあたり必要になってくる「CADの操作スキル」について考えてみました。

実際にCADを使う為には色々と覚えるべきことがありますが、それはどんな仕事でも一緒ではないかと思います。

既にCADを使っている人の意見を、それが仮に年下の人であっても、素直に聞いて実行してみる。

それがCADを短期間で覚える為の絶対条件ではないかと、少なくとも私はそんな考えを持っています。

近くにCADの操作を教えてくれる人がいない場合、ネットや書籍などで情報収集をすることになります。

が、やはり直接教わるよりも時間がかかるはず。

それはもう仕方がないことなので、今自分がいる状況によって、出来ることをやっていくしかないですよね。

CADの向き不向きを考える

建築施工図を作図する為に必要な「建築に関する知識」よりも、CADの操作を覚えるほうが比較的楽。

前回はそんな話をしてきました。

CADはあくまでもパソコン上で動作するソフトですから、基本的には親切な作りになっています。

誰がCADを操作しても分かりやすく、なおかつ様々な機能がついていて便利に使うことが出来る。

CADのメーカーが目指しているのは、恐らくそんな状態ではないかと思います。

もちろん現実はそれほど聞こえの良い話ばかりではありませんが、それでも商品として販売されているソフトです。

誰が見ても理解出来ないような操作ではありませんので、触ったことがない方はぜひ一度試してみてください。

建築の知識とCADのスキルと

建築施工図を作図する為に必要な建築関連の知識、そしてそれを図面化する為に必要なCADの知識と技術。

それらの能力がバランスよく揃えば、建築施工図の技術者としては一人前だと言えるでしょう。

もちろん最初からそんなスキルを備えた人はいませんので、地道に知識とスキルを高めていくしかありません。

ただ、建築関連の知識は奥が深い上に巾も広く、「これで完璧」という終着点はないように思います。

だから何年の経験があっても、常に勉強という姿勢が必要ではないかと、個人的な意見ではありますが、私はいつもそんなことを考えています。

こうして躯体図について解説をしている私も、情けない話ですが、勉強不足が原因で色々な失敗をいまだにやらかしています。

自分では知っているつもりでいるのに、実際には本当の意味で理解出来ていないものが何と多いことか…

その奥深さが良いんですけどね。

時間という概念

このサイトでは、建築施工図を作図する為に必要となるであろう知識を出来るだけ分かりやすく説明しています。

建築施工図のプロとして仕事をしていきたい、と考えている方がどのくらいいるのかは分かりませんが…

そういう方がこのサイトを読んで、スキルアップの為に少しでも役に立てれば良いなと考えています。

と、ここまでは良いですよね。

このカテゴリーでは少し趣向を変えて、建築的な知識の話ではなくてもう少し実務よりの話をしてみたいと思ってます。

学生の研究とは違い、図面を作図して報酬を受けとるというのは紛れもなくビジネスです。

知識とか技術とかでは乗り切れない事もたくさんあるはず…少なくとも私にはあります。

ここではそうしたお金とかに絡む話を少しずつしていきますので、興味のある方だけどうぞ。

床伏図での表現方法

前回は、鉄骨柱をコンクリートに固定する為に、アンカーボルトを躯体図にどう表現していくのか、という話をしました。

ですが、そもそもアンカーボルトを表現をするのは、どんな種類の図面なんでしょうか。

そのあたりの話を今まで全然説明していなかった為、途中から床伏図についての説明に変わってしまいました。

躯体図の種類はそれほど多くないのですが、まさか床伏図の話題に触れていなかったとは、ちょっと意外。

あまり計画的な説明とは言えませんが……

今回こそは、そんな床伏図にアンカーボルトをどのような表現で記入していけば良いのか、という話をします。

アンカーボルトは床伏図に

鉄骨柱の足元と、地下のコンクリートを連結するためには、一般的にどのような手段が採用されるのか。

前回はそのあたりの話をして、鉄骨柱の足元に取り付けるベースプレートという部材を紹介しました。

コンクリートに埋め込んだアンカーボルトの頭が少し出ていて、それがベースプレートの孔に通る。

そしてアンカーボルトにはネジが切ってあって、ボルトを締めつけて固定をする、という手順になります。

このあたりの納まりは、普段何気なく利用している駅のホームなどで、よく見るとたくさんあります。

電車を待っているだけの空いた時間などに、興味を持って色々と見てみると面白いですよ。

という現物はさておき、今回はそれを躯体図にどのように表現をするのか、実際に例を出して説明してみます。

鉄骨はどんな形になるか

コンクリートと鉄骨の柱をつなげる為に、お互いが連けるされることを意識した造りになっている必要がある。

という話を前回取り上げて、コンクリート側では一般的にどんな形状をしているかについて説明をしました。

通常の納まりとしては、コンクリートにアンカーボルトを埋め込んでおき、鉄骨柱が取り付けられるようにしておく。

そんな納まりが多いです。

もちろん例外もある訳ですが、基本納まりをきちんと知らないうちに特殊な納まりを覚えても意味がありません。

だから、まずはもっとも一般的な納まりを知ることからスタートです。

基本がしっかりしていないと、応用なんて絶対に出来ない、という部分は学校の勉強と一緒ですね。

今回は鉄骨柱側の納まりとして、アンカーボルトと接続する部分がどのようになるのか、という話をしていきます。

アンカーボルトとは何か

コンクリートで造った地下部分と、鉄骨で造る地上部分を連結するには、どんな手段があるのか。

前回はその話をするつもりが、いつの間にか「建物の寿命」みたいな話になってしまいました。

長い期間変わらずに建ち続ける建物とする為には、やはりしっかりとした構造体を造る必要がある。

そういう意味では全然無関係な話ではないから、まあ良いかな。

今回は鉄骨の柱とコンクリートの柱を連結する具体的な手段について、図を交えて説明したいと思います。

鉄骨柱とコンクリートの連結

地下部分のみコンクリートで構造体を造り、地上階は鉄骨造とする。

いわゆる「S造」と呼ばれる建物は、ほぼ間違いなくこのようなパターンになっています。

鉄骨は当たり前ですが「鉄」ですから、常時水分をふくんでいる土中に設置することは出来ません。

だから、土に接する部分はコンクリートで作成し、その上に鉄骨を配置するというやり方をする訳です。

これは最近割と多い構造だと思いますが、この場合、コンクリートの柱と鉄骨の柱をがどこかでつなげる必要があります。

このあたりの話は、躯体図を書く側として、きちんと理解しておく必要があります。

理解していなくても、CADを使えば躯体図を書くことが出来ます。こうして見るとCADって凄いですよね。

しかし、理解出来ていない人が書いた躯体図を使って建物をつくる、というのはかなり怖いことです。

プロとして、出来ればそういうことはやりたくないので、ここで鉄骨柱の足元をきっちりと理解しておきましょう。

鉄骨柱とRC柱の関係

前回は基礎伏図を作図するにあたり、基礎の上に配置される柱をどうするかを考えてみました。

建物の構造によって「柱が止まる高さ」が変わってくるので、まずはそれを調べておく。

これが基礎伏図で柱を作図する際に気を付けることの、最初のステップということになります。

もちろん次のステップとして、それぞれの構造による柱の違いを理解して、それを躯体図に表現する作業があります。

RC造はとりあえず柱がそのまま伸びていくだけなので、基礎伏図としては特に問題ありません。

そしてS造の場合は、コンクリートの柱と鉄骨の柱が切り替わる部分を理解しておく必要がある。

ということで、今回はS造の柱が切り替わる部分について、もう少し詳しく考えてみたいと思います。

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